ショウジョウバカマは早春に咲く花の一種。
「春のはかない命」
「スプリングエフェメラル」
と呼ばれる植物の一つです。
ショウジョウバカマ以外にも、フクジュソウやカタクリ、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、セツブンソウなどもその仲間。
フクジュソウ
スプリングエフェメラルの特徴は、樹木が葉をつけるずっと前の雪解け直後に花を咲かせます。
そうすることで、昆虫たちを独占し、受粉効率をあげているそう。
花は短い期間で終わり、大きな樹木たちが葉を付けるまでの間に光合成をして栄養を蓄え、樹木たちが葉をつける頃には枯れて、球根や地下茎のみになります。
次の春先までは地下茎や球根で過ごすため、地上に姿を表すのは、1年の内の2ヶ月〜3ヶ月程度の短い期間だけという不思議な植物たち。
ショウジョウバカマの群落
ただスプリングエフェメラルの中でショウジョウバカマだけは特殊です。
葉を枯らさない常緑の多年草のため、1年を通して葉っぱは地上で見ることができます。
ショウジョウバカマという特徴的な名前は見た目に由来しています。
ショウジョウとは中国に昔から伝わる架空の生物のことで、猩猩(しょうじょう)と書きます。
オラウータンのような猿のような生物のようです。
ジブリ映画「もののけ姫」の中にも猩猩は登場しますが、その時はゴリラのような生物でした。
でもなんでこのお花の名前に猩猩とつけられたのでしょうか?
ショウジョウバカマ
日本の伝統芸能である「能」に、「猩猩」という演目があります。
その演目の猩猩の装束が真っ赤であったため、その印象から猩猩=赤色に印象付けられました。
そこから赤いものを指すようになったと言われています。
ショウジョウバカマはちょうど赤い花の部分が猩猩の頭、根生葉をハカマに見立ててこの名前になったようです。
長野県安曇野在住の登山ガイド。
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